第4回Rural Art Program 8月19日(水)〜23日(日)

2006年以来3年ぶりに第4回RAP(Rural Art Program:学生向け教育プログラム)が開催されました。
参加学生は東海大学芸術工学部の学生6名でした。
今回は農村に滞在して暮らしや営みを体感しながら地域を調査し、各自の問題提起に結びつけることとして、課題のテーマは学生自ら設定するようにしました。
お世話になったのは江部乙の水田や畑の真ん中、石狩川の河岸段丘の端に位置する中野ふぁーむさん(中野義治さん、美規子さん経営)でした。学生は4泊5日の間、江部乙 のまちを調査し、講師のレクチャーを受け、ディスカッションを重ねました。その間中 野さんの農作業の手伝いや農業のお話を聞いたり、バーベキューパーティでA.C.T.メンバ ーや中野ふぁーむを訪問した人達との交流が出来るなど、濃厚な時間を過ごしました。

RAP2009の呼びかけ文
" 君達は100年後の風景をソウゾウ出来るか "
・・・北空知、江別乙の農村風景を再考する・・・

石狩川がつくった肥沃な平野に広がる田畑。
緩やかな丘陵に四季を映し出す畑地と果樹園。
農地を取り囲む里山。
それらは約100年前、屯田兵の入植から始まった営みだ。
長い年月がたった今、滝川・江部乙には大地の喜びがあふれている。

だが、住む人達の暮らしや環境の実態はいかなるものか。
それらは100年先どうなっているのか。
この土地に残すべきものは何なのか。
この土地に新たに創り出すべきものは何なのか。
その問題は江部乙に住む人達だけのものではなく、
誰にとっても大事なことである。
何故なら農村と都市はひとつのものであり、
ここの人達と私達はつながっているからだ。

土地の人を知り、現状を調べて理解を深め、
鋭い感覚で未来を想像することは、若い君達にとても良い経験だ。
やがて、君もどこかのまちの大切なものを守り、
美しい風景を創造するひとりになるのだから。


□農村に滞在して、土と触れ、風に吹かれ、話を聞き、資料を読み、語り合う。
 そこから君達が自ずから何が出来るか、提案して下さい。


プログラム
2009年8月19日(水)
14:00〜16:00 中野ふぁーむ集合、江部乙概略調査 
16:00〜17:30 高橋満氏(江部乙新規移住者)レクチャー
19:00〜21:00 ウエルカムバーベキューパーティ
19:00〜21:00 講師レクチャー、ディスカッション(太郎吉蔵)
2009年8月20日(木)
8:45〜12:00 農作業手伝い
14:00〜17:30 江部乙調査
22:30〜25:00 ディスカッション
2009年8月21日(金)
9:30〜13:00 江部乙調査
14:30〜15:30 農作業手伝い
15:30〜17:30 柳田氏レクチャー
(岐阜市立女子短期大教授:屯田兵村研究)
22:40〜25:00 ディスカッション
8月22日(土)
8:50〜10:30 農作業手伝い
11:20〜12:00 江部乙調査
13:00〜14:20 松儀氏(江部乙長老)山崎氏(山崎石材専務)レクチャー
14:20〜17:00 江部乙調査
17:00〜20:00 フェアウエル・バーベキューパーティ
21:30〜25:00 個人作業
8月23日(日)
8:00〜10:00 個人作業まとめ
10:15〜11:00 発表・講師コメント
11:30 解散


実施場所
 中野ふぁーむ/滝川市北滝の川(江部乙)

講師
 東海大学 田川正毅教授、岐阜市立女子短大 柳田良造教授
 高橋 満、山崎 修、松儀 功、A.C.T副理事長 斉藤浩二

参加学生
 東海大学芸術工学部 4年生1名、3年生5名

   
   
中間発表
 2009年11月21日 太郎吉蔵にて

8月に現地に合宿して調査し経験したことをふまえて、一人一人この地域への未来への提案をまとめました。2010年2月のランターンフェスティバルで発表する予定ですが、その過程で講師や関わった地元の方にアドバイスをいただきました。





   
   
まちづくり提案発表
 2010年2月27日 太郎吉蔵にて

第8回紙袋ランターンフェスティバルが行われた日に、第22回五十嵐アート塾・レクチャーシリーズとして、札幌から建築家圓山彬雄氏(URB建築研究所・所長)を講師にお招きし、3年生5名の提案を発表し、講評をいただきました。


当日配布した資料
課題テーマ
 
 君達は100年後の風景をソウゾウ出来るか

提案共通テーマ

 歴史を受け継ぐ、未来をつくる

提案個別テーマ

  ・鈴木貴世 ー 「Ebeotsu Art School〜旧江部乙中学校の有効利用」
  ・富樫和也 ー 「江部乙の灯」〜灯りの芽を育む〜
  ・高橋慶多 ー 「みんなで創る道の駅〜農村の100年後を創る道の駅づくり」
  ・小林令佳 ー 「江部乙アートトリエンナーレ」
  ・本郷史子 ー 「りんごむろ再生〜もう一つの価値」
  ・加藤友貴 ー「RAIL WAY〜100年の未来へ繋ぐ駅」 

* アート塾には、講師の圓山彬雄氏の他、東海大学大野仰一教授、田川正毅教授、岐阜県市立女子短期大学柳田良造教授、A.C.T.理事で建築家鳥谷部隆司氏もコメンテーターとして参加。札幌の北海道工業大学 濱谷雅弘教授も学生さんを多数連れて参加して下さいました。地元江部乙の方も来て下さり、総勢40名で活発な質疑応答、意見交換がありました。 会の終りでは、地元の方々から提案を受けて動きたいという発言があり、今後A.C.T.としても学生も出来ることは協力して行きたい、単に提案で終らないように活動を続けたいという結論に至りました。

学生達の感想
  • たくさん頭を使い脚を使い手を使い、大変だったこの経験は、たくさんの人と出会い思い出を作り多くを学ぶ、素晴らしい経験でもありました。RAPに参加できて本当に良かったです。ありがとうございました。(高橋慶多)
  • RAPを通していろんな出会いがありました。それは人だったり場所だったり、本当にたくさんのことにです。貴重な体験ができたし、とても良い勉強になったと思います。そして僕らのアイデアが町を元気にするきっかけになれば嬉しいです。ありがとうございました。(富樫 和也)
  • 数日間の滞在の中で、眺めた景色から土地の記憶を辿り、その土地らしさを見つける事の楽しさを知りました。また、地元の人々の結びつきやまちへの想いに触れ、まちづくりの根本となる姿勢を学ばせて頂きました。長年受け継がれてきた江部乙の変わらぬ魅力が、この先も在り続けて欲しいと思います。(本郷史子)
  • 今回、市街地から離れ、農村部での4泊5日の生活を通して、いつもの日常ではできない多くの体験をさせて頂きました。北海道にいても、自分がいかに土や草に触れていないかを改めて感じました。自分たちのRAPの活動が少しでも江部乙の未来に繋がれば嬉しいです。(加藤友貴)

(レポート:佐藤潤子)