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グライダー搭乗体験 レポート:南雲勝志(プロダクトデザイナー)
Photo by Koji Sakai 各写真はクリックで拡大します

7月7日快晴。昨日滝川三楽街の深夜バトルをにやにや思い返しながらバスに揺られツアーを楽しむ。お昼の蕎麦が消化し切れていないまま、慌ただしく滝川スカイパークに向かった。
実はオプションでグライダーがあることを知ったのはツアーの4〜5日前だ。イガラシアトリエの羽田さんに気持ちいいですよ。と教えていただき、即申し込んだのだ。
早速、石狩川の河川敷にある滑走路へと向かう。グライダーが見えてきた。FRP製のボディーは本当に美しい。特に一人乗りはまさに鳥のようだ。エンジン飛行機に牽引し、高度約400mまで上昇、約10分の飛行である。
話によるとここは全国からグライダー好きが集まるらしい。理由を聞くと、グライダーは小さくとも航空法的には飛行機であり、あまり制約を受けない地域はなかなかないそうだ。それと地形、さらに上昇気流が掴みやすいかどうか。そんな理由で日本一のグライダー基地らしい。
パイロットの後ろのコックピットに入り込む。風防を締めると意外と熱い。「それでは離陸します。」パイロットの声と共に滑走開始。滑走路がすぐお尻の下にあり、なんだかレーシングカーに乗っている気分だ。200mほどの助走で一気に上昇する。意外と安定している。不思議なことに牽引する飛行機よりグライダーが上になるため、どうも上昇している気分ではないが、みるみる高度は上がっていく。「牽引ロープを外します。」パイロットがそういったとたん、ふっと浮いたような感覚になる。後は何があっても自力で滑空するだけだ。
眼下には石狩川がよく見える。蛇行する石狩川の膨らんださらに外側に三日月湖が転々とする。小学校の時に教わったやつだ。なんだか嬉しい。午前中に見た公園の沼もその一つだったんだ。勝手に納得する。パッチワークのように畑が見える。「黄色いのが麦畑、一番濃い緑色が玉葱畑、田んぼはわかりますよね、それより薄い緑が蕎麦です。」そんなふうに説明してくれたと思う。
前方にもう一機一人乗りのグライダーが見えた。「今あの機は上昇気流を探しています。」 「上昇気流といったって見えないですよね、どうやってわかるんですか?」少し面倒くさそうに「それは機体と自分の体の五感、そして鳶や地形を見て判断します。」どうも良くわからない。
そんな会話をいくつか楽しんだ後、パイロットに「意外と怖くないんですねぇ〜」とぽつんと言った。少し沈黙があった。その次の瞬間、急に機体が左15度位傾き、急激なGがかかる。「何するんですか!」左足を踏ん張りながら叫ぶと、「いや〜ちょうど上昇気流がきたもので、ちょっと捕まえて見たんですよ。今ので2G位です。もっといきますか?」 「いや、もうこの辺で…」そうだ、下手な恐怖感を与えないよう優しく運転していてくれたのだと後で気がつく。何たってアクロバット飛行だって出来るんだから。この上昇気流を捕まえながら4〜5時間は飛び続けることが出来るという。
飛行場のまわりを一通り旋回し、着陸へと向かう。着陸路はすぐそこなのに意外と高度がある。「あれ、まだおりないんですか?」 「降りますよ、今から」そういうと急に機体が下を向く。旅客機よりも遙かに機首を下に下げた状態で着陸路に向かう。まるで追突するようだ。着地の瞬間やっと水平に近くなり、芝生滑走路に無事着陸する。
離陸は水平を保つためにアスファルトですが、着陸は衝撃を和らげるために、芝がちょうどいいんですよ。「なるほど…」知らなくてうなずくことがとても多い初滑空であった。
いつか一人で操縦してみたい。そう思いながら太郎吉蔵へと向かった。